アーバン山水β
2023年12月20日(水)- 22日(金)13時-21時(入館は19:30まで)|事前予約制→peatix
会場:kudan house 〒102-0073 東京都千代田区九段北1-15-9
アーティスト:石井友人/片山初音/カニエ・ナハ/高嶋晋一+中川周/藤倉麻子/槙原泰介/丸山直文/水木塁/三宅砂織
トークゲスト:石川初/大巻伸嗣/小金沢智
企画:近藤亮介
主催:山水東京
協力:kudan house
お問合わせ:sansui3020@gmail.com
プレスリリースPDF
東アジア特有の思想である山水をテーマに、現代の芸術と社会について考えるコレクティブ山水東京は、kudan houseにて3日間の複合イベント「アーバン山水β」を開催します。
山水は、山水画や枯山水に象徴されるように古典的な主題と思われがちですが、根底にある非人間中心的な思想は、現代に生きる私たちに多くの示唆を与えてくれます。 山水東京を主宰する近藤亮介は、これまで欧米のランドスケープ史を研究する傍ら、中国風水術や日本庭園のフィールドワークを通して、東アジア在来の自然の捉え方に関心を持ってきました。西洋の「ランドスケープ=風景」が人間(主体)と自然(客体)を二項対立で捉えるのに対して、東洋の「山水」は万物の流転の中に人間も自然も主客未分化なまま存在すると考えます。
今年3月にkudan houseで開催した「アーバン山水」展は、前近代の山水をただ復興させるのではなく、現代の視座から更新することを試みました。伝統的な中国の画家は険しい山崖や肥沃な平原といった大陸の地質から想を得ましたが、「アーバン山水」展に参加したアーティスト達は建物とインフラで覆われた都市の表層を凝視し、地層より手前にある身近な事物へと想像力を巡らせました。
今回の複合イベント「アーバン山水β」では、「アーバン山水」展で孵化した都市生活者の新たな想像力が、個人としてコレクティブとして内省された上で、発展的に展開されます。主宰者の近藤は「アーバン山水」という概念を深化させる論考を書下ろし、展覧会記録とともに「アーバン山水」展カタログとして出版します。また、展示では、「アーバン山水」展に参加したアーティストの石井友人・藤倉麻子・槙原泰介・水木塁に加えて、詩人のカニエ・ナハ、山水東京の最初の展覧会「それぞれの山水」に参加した高嶋晋一+中川周、継続的にフィールドワークやミーティングに参加してきたアーティストの片山初音・丸山直文・三宅砂織が参加し、より広域に山水の世界観を探求します。さらに、ランドスケープ・アーキテクトの石川初氏、アーティストの大巻伸嗣氏、キュレーターの小金沢智氏をゲストに迎え、トーク・イベントを毎夜開催します。
登録有形文化財であるkudan houseを会場とした本イベントは、東京という都市空間の只中に、都市に生きる人間と自然を一体的に捉える特異な感性的体験を生み出します。この機会にぜひ「アーバン山水β」をご体感ください。
※「アーバン山水」展カタログについて・リサーチから展覧会までの記録と作品図版に、キュレーターと研究者による論考などを加えたカタログ・A4カラー+A5モノクロ複合100ページ(日英バイリンガル)会場限定税込2000円・作品図版、展覧会インスタレーションビュー ・論考:近藤亮介(美学芸術学・ランドスケープ史/キュレーター) ・論考:石川初(ランドスケープ・アーキテクト/慶應義塾大学教授) ・リサーチ(レクチャー+フィールドワーク)の記録 ※アーカイヴ動画視聴用QRコード付 ・展覧会関連プログラムの記録 ・デザイン:川村格夫