
2025年9月より「東アジアの技術」研究会を始動します。この研究会は、風景・再来・湿気・比例という4つの視点から、東アジア的技術の特異性を考察する国際的なリサーチ・プロジェクトです。
哲学者ユク・ホイによれば、かつて世界各地には、固有の世界観や宇宙論を反映したさまざまな「宇宙技芸(cosmotechnics)」が存在していました。しかし、現代の東アジアでは、社会システムの大部分が西洋近代のテクノロジーに依存しています。この状況は、生成AIやNFT(非代替性トークン)、メタバースといった最新技術を安易に取り入れようとする日本の現代美術にもあてはまります。一方で、木彫や書画といった身近な技術は「伝統」の殻に閉じこもり、現代美術との関係が希薄になっています。
「東アジアの技術」研究会は、このように現代美術と宇宙技芸が乖離している現況を批判的に捉えたうえで、東アジア的技術をリサーチし、山水をはじめとする在来思想と(再)統合することを目的としています。もっとも、ここでいう「技術」とは、単なるテクノロジーやメディウムに限定されるものではなく、アート(art)およびテクネー(technē)が示唆する「創作(poiēsis)=顕現させること」を含む、広義の概念です。私たちは、東アジア的技術をグローバルな現代の文脈に位置づけ直すことで、学問と芸術の新たな可能性を開き、足元に潜む感性を触知できるものとして浮かび上がらせます。そうして、国・地域を超えた多極的かつ共生的な社会のビジョンを描きたいと考えています。
本研究会の成果は、2026年以降、出版・シンポジウム・展覧会などを通じて、日本国内外に広く公開される予定です。どうぞご期待ください。
【スケジュール】 ※随時更新予定
2025年
◆第1回 9/19(金)8pm 近代中国美学からみた「技術」問題――自然観のメカニズムとして 丁乙
◆第2回 10/17(金)9pm マダン――集まる技術 権祥海
◆第3回 10/31(金)8pm 山水画と「技術」――劉国松の「宇宙シリーズ(太空系列)」をめぐって 呉孟晋
◆第4回 11/14(金)8pm 風景写真と技術――《公園の木》について 甲斐義明
◆第5回 12/5(金)9pm 陳昭
2026年
◆第6回 1/16(金)9pm 市川紘司
◆第7回 2/6(金)9pm 閻喜月
【Zoom URL】
https://u-tokyo-ac-jp.zoom.us/j/2681761549?pwd=yN1S0kuIO4qesSUVExxsbr5FODivja.1
Meeting ID: 268 176 1549
Passcode: 107969
「東アジアの技術」研究会は、招待制となっております。
ご参加を希望される方は、下記メールアドレスまでお問い合わせください。
sansui3020[at]gmail.com([at]を@に置き換えて送信してください)
















































































